2016年9月23日金曜日

<混声合唱部> 金賞受賞!『関東大会』

 9月18日(日)、千葉県文化会館大ホールで行われた全日本合唱コンクール関東大会に参加しました。各県大会を勝ち抜いてきた24の高校が全国大会への切符を賭けてしのぎを削り、敬和学園は金賞を受賞しましたが、全国大会出場は逃す結果となりました。

 今回演奏した2曲はどちらも日本語の曲です。課題曲は「むらさきの」。自分の心の奥にある郷愁の世界。懐かしい思い出が自分の心を和らげてくれるという曲で、繊細で優美な世界を表現しました。

 自由曲は「Agnus Dei=空海・真言・絶唱」。室戸岬で修行する空海の口に金星が飛び込んできて、真理を悟り宇宙と一体化する劇的な場面を音楽化。風や水の音が聞こえ、空海が語り、人々が叫び、祈り、それがこだまし、楽器が鳴り、森羅万象が巻き起こる、宇宙的な広がりがある曲です。またそこにキリスト教の祈りであるAgnus Deiが加わることで、東西の境を越えた普遍的な幸福と平和への願いが表現されました。

 この壮大な曲を完成させるために、部員は多くの時間を割き様々な困難を乗り越えてきました。豊かに、ダイナミックに、しかし繊細に、緻密に音楽を創る。決して単調にならないように気を付けつつ、決めるべき部分ではエネルギーと喜びを。抑制と爆発。無と全。調和と混沌。東と西。何度も試行錯誤を繰り返しバランスを整え、遥かな頂に一歩ずつ歩を進める作業でした。それがこの日、結実したのです。全国への夢は叶いませんでした。しかし、今までの歩みは決して色褪せません。この日の演奏で部員一人ひとりが放っていた光は、空海を照らした金星にも劣りません。数か月の努力と成長、一つの世界が完成された演奏は、まばゆい閃光となってこの先の一人ひとりの歩みを照らしてくれるでしょう。尊い時間を心に焼き付け、三年生にとっては最後となるコスモスコンサートに向かって部員一丸となり、駆け抜けていきたいと思います。

2016 声楽部 関東大会 千葉