2015年12月27日、混声合唱部はキエフ国立フィルハーモニー交響楽団と共演し、ベートーヴェンの交響曲第9番、通称「第九」をりゅーとぴあにて演奏しました。楽団はウクライナを代表するプロのオーケストラであり、日本各地で行われた演奏ツアーの最後がこの新潟公演でした。前日は東京で公演をしていたようです。今回敬和学園は、音楽大学の学生や新潟および東京の一般合唱団の方々などと共に、「キエフ国立フィル第九公演記念合唱団」の一員として歌いました。合唱団の中でも最大勢力であること、あるいはいつもの演奏と違い、お客さんが決して安くはないチケットを買って聴きに来ること。この二点から演奏において失敗は許されず、振る舞いも含めて責任が伴います。生徒たちはそのプレッシャーを背負いながら練習に打ち込み、本番ではよいパフォーマンスを見せてくれました。合唱の勢い、クオリティーがオーケストラと相乗効果をもたらし、上質な響きが空間を満たしていました。
今回の演奏に向け、生徒たちは相当なプレッシャーを感じ、練習では技術的な苦労をたくさんしていました。しかしその分出来たときの達成感は大きく、演奏会が終わったあと皆口々に「楽しかった!」と語りあっていました。プロのオーケストラと共演する機会なんて一生の内でそうあることではありません。今回が最初で最後の人もいるでしょうし、一回も無い人のほうが圧倒的多数です。ましてや一国を代表するオーケストラと、高校生の時に歌えるなんて!これがどれほど幸福な体験であるか、本当の意味で実感できるのはもっと先かもしれません。しかし感受性豊かな高校時代に体験したことには大きな意味があります。心に撒かれた種はこの先、どこかで花を咲かせることでしょう。また今回は様々な合唱団や人々とのつながりが出来ました。歌を通じて生まれたつながりは、この先きっと私たちの人生を豊かにしてくれるでしょう。そして歌によって新潟に居ながらにして世界を知り、つながることができました。この先混声合唱部が歌を通じ何と出会い、誰とつながっていくのか、楽しみに見守りたいと思います。今後とも、よろしくお願いいたします。